備前長舩在光

備前長舩在光(ありみつ)は、室町時代後期、備前国(現在の岡山県東部)備前伝長舩派の刀工である。 銘は、「備州長舩在光」「備州長舩藤原朝臣出雲守在光作」と切る。作刀例は僅少であるが、同時期の備前伝の刀工である右京亮勝光、左京進宗光、与三左衛門尉祐定らとならび賞されるほどの技量を誇った「末備前」の名工である。在光銘は、複数人が存在する。宗光との合作がある文明年間から明応年間の在光、 出雲守を受領した永正年間から大永年間の在光、天文年間の九郎左衛門尉在光、新次郎在光がある。「末備前」とは、応仁の乱(1467年勃発)以降、戦国時代に入り、天正十八年(1590年)吉井川の大洪水によって備前鍛冶が全滅してしまう間の123年間に作刀された備前伝を指す。作風は、刀姿は重ねがやや厚くなり、先反りが強い。刃文は、互の目が割れていわゆる蟹の爪乱れが多い。

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